このブログでは、こーけつのグラウンドでの活動を通して、野球の障害に関して発信をしていきます!
最後までお付き合い頂けたら幸いです!
ある日の中学野球チームでのサポート活動での場面…

野球でどんなケガが多いのか...
医療の知識の無い私でも異常を見つけることが出来るのか...
一番はケガをする選手を出さないことだが、どうすれば防ぐことが出来るのか...



選手を担当した経験を踏まえて、その悩みが解決出来るよう私が説明させて頂きますね!
野球で多いケガとは
結論から申し上げますと…
の2つの部位のケガが多いのが現状です。
こちらのグラフをご覧ください!
引用文献
【1】全日本野球協会,日本整形外科学会,運動器の10年・日本協会:平成27年度少年野球(軟式・硬式)実態調査 調査報告,2016
【2】全日本野球協会,日本整形外科学会,運動器の10年・日本協会:平成28年度中学野球(軟式・硬式)実態調査 調査報告,2016
野球はスポーツの中でも「オーバーヘッドスポーツ」に分類され、投球の際に腕が頭より高く挙がるスポーツです。
オーバーヘッドスポーツはスポーツの特性上、何度も同じ動作を繰り返すことで、頭より高く挙がった腕(腕・肘)に大きな負担がかかると言われています。
野球の投手なんかは良い例ですよね!
高校生であれは1試合100球、中学生や小学生でも2日続けて投手を務めるなど、連投は当たり前です。
さらに野球ボールを持って投球をしていますよね。
例えば、中学生が使用する軟式野球ボールは約133.2g~136.8gです。
これだけ聞いてもピンとこないですよね💦
では、硬式野球ボールは何gでしょうか?
ちなみに硬式野球は小学生からプロ野球選手までが同一のボールを使用しています。
硬式野球ボールは約141.7g~約148.8gです。
この文章を読んでいるあなたはこう思ったかもしれません。
たった10gでも何百球と球数を投げたらどうでしょう?
体の大きさや筋力、骨の成長が異なる小学生とプロ野球選手が同じボールを使用することがよいでしょうか?
そのため、肩関節や肘関節の負担がそもそも大きくなってしまうスポーツであることが考えられます。
こんなことも頭に入れて、成長期の野球選手と向き合っていきたいですね!
医療の知識が無くても大丈夫な理由
それを医療の知識が無い私でも、グラウンドで判断することは出来るのだろうか...


なぜなら、意外と簡単に危険信号を発見することが出来ますからね!
では、具体的にはどの様な点に注目していけば宜しいでしょうか?
これはとってもシンプルです!
肩関節を動かして痛い、肘関節が曲がらない・伸びないという異常を認めたら、普通では無い状態です。
指導者の方が選手だった時代は、「痛くても根性で治せ!」というのが当たり前の考えだったかもしれません。
しかし、現代はそうではありません。
これらの痛みを抱えたまま野球を続けることは、結果的に野球選手としての寿命を縮めてしまうことに繋がってしまいます。
細かいケガの病態をお伝えしたいところですが、長くなってしまいますので、今回の記事では簡単に説明させて頂きました。
選手が肩関節を動かして痛みがある
肘関節が曲がらない・伸びないという左右差を認める
これらを認めたら普通の状態ではありませんので、通常の練習を続けることは危険かもしれません。
選手の痛みの訴えを聞く・体の変化に気づくそれだけで十分ですよ!
ケガを防ぐために必要なこと
これは挙げれば切りがありませんね笑
しかし、ざっくり分ければ外的要因と内的要因に分けることが出来ます。
外的な要因とは、自身の体の外にある要因
●練習量 ●球数 ●試合の日程 ●ポジション など
内的な要因とは、自身の体の内にある要因
●可動域 ●筋力 ●動作(フォーム) ●疲労 ●ストレス など
2つに分けましたが、これらがさらにいくつもの点に細分化することが出来ますので、本当に切りがありません。
しかし、これだとケガを防ぐために必要なことがイメージ出来ませんので、ここでは
の2点に絞って話をしていきます。
ケガと練習量
一般的な高校の硬式野球部はどれくらいの練習時間でしょうか?
平日に3時間、土日に約7時間で週休1日だとしたら、1週間で26時間
中学生は平日に2時間、土日に約7時間で週休1日だとしたら、1週間で22時間
小学生は平日の部活が無くなれば、土日の約7時間で、1週間で14時間
(纐纈調べ)
この様に年代が上がるにつれて少しずつ時間が増えていくのが一般的です。
しかし、上の時間はあくまで一例であって、土日に午前中のみの練習時間にしているところや週休2日にしている学校やチームもありますから、一概には言えません。
ただ、私の肌感としては1日練習をしているところが多いように感じます。
当院に来院される小学生、中学生の野球選手に
私「土日の練習時間はどれくらい?」
選手「朝8時から夕方5時までです!」
こんな答えが平気に返ってきます。
休憩が1時間あったとしても練習時間は1日8時間です。
これを土日の両方です。
平日は学校へ行き、土日は1日練習...大人で言い表せば365日勤務みたいなもんです。
実はあるデータがあり、小学生で1週間に16時間以上練習をすると肩・肘関節の障害をするリスクが上がる、という報告があります。
これは練習内容に限らず、練習時間が長いことがケガに繋がるということにもなります。
試合に勝ちたい、上手くなりたい、レギュラーになりたい、誰でもこのような気持ちがあれば、練習時間が長くなります。
しかし、時間を短くして効率よく行うことを考える必要があることを意味していると感じております。
ケガと球数
球数が増えるとケガをしやすい
必ずとは言えないかもしれませんが、これは多くの方に当てはまっていると考えられています。
「球数」の定義も難しいですが、多くは1試合での「球数」や練習でのピッチング練習の「球数」などを反映しております。
しかし、試合で投げる背景には試合前のピッチング練習での「球数」やキャッチボールにおける「球数」があります。
また、投手をやらない野手は球数が0なのか、という問題も出てきます。
こうやって考えると「球数」を数えるのは非現実的になってしまいます。
そのため多くが「試合での投球」を1つの球数の定義として、「球数制限」をしましょう、という流れになっています。
小学校の硬式野球の協会であるリトルリーグ協会や、中学校の硬式野球の協会であるポニーリーグやボーイズリーグは協会を挙げて球数制限のルールを制定しています。
また、アメリカの示しているガイドラインである「ピッチスマート」という、試合での球数によって休養期間を定める指標もあります。
こちらです
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こんな感じで、投手は試合で投げた球数に応じて、次回の試合での登板まで何日間を空ける必要があるか、を表しています。
また、甲子園大会でも「1週間で500球」とルールが作られました。
これには
賛否両論ありますが、医療従事者である私としては、協会が重い腰を上げて障害予防に取り組もうとしている第1歩に感じるので、良い傾向と考えています。
この様に、ケガを防ぐために必要なことの1つとして、
「練習量」と「球数」を減らす
が必要です。

野球のケガが多いのは肩・肘
指導者が注意するのは肩の痛みや、肘関節の可動域制限
ケガを予防するためには「練習量」と「球数」の見直しが必要




直ぐに変えることは難しいと思いますが、
ますは意識をして、行動することが必要ですね!!
では、次回のサポートも宜しくお願い致します!
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