“子どもは大人のミニチュアじゃない“
この言葉を聞いたことはあるでしょうか?これは書籍にもなっている言葉です。私は、理学療法士となり成長期の野球選手⚾️のコトを勉強するようになって初めて理解するコトが出来ました。今回は医療従事者としての意見を述べさせて頂きます。野球が大好きな選手の為に…
大人と子供の違い
まず冒頭で述べた“子どもは大人のミニチュアじゃない“この言葉の意味はみなさん分かるでしょうか?
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明確な答えはありませんが私の解釈は以下の通りです。明確な違いは“骨“です。大人の骨は強く頑丈であるためそう簡単には骨折しません!あ、強い衝撃が加われば折れます💦普通に野球を楽しんでいれば骨折はしないというコトです。
しかし、子どもの骨はどうでしょうか?割と簡単に“骨折“します。ただ楽しく野球をしてたくさんボールを投げた“だけ“で。コレ、ホントです。ただ、病院を受診してもギプスで固定する訳ではないのでそうは見えません。
子どもの骨には“骨端核“という骨が伸びる部分があります。骨端核があるうちは身長が伸びていきますが、骨端核が消えてしまうと身長の伸びが止まります。この骨端核は男の子であれば高校生辺りまで残存します。女の子であれば早ければ中学生〜高校入学くらいで消えてしまいます。骨端核があるうちは背を伸ばすために骨は頑丈ではなく柔らかい状態です。
そのため…投手や捕手の様なたくさんボールを投げるポジションの選手は骨のケガをしてしまいます。コレが私の考える“子ども“と“大人“の明確な違いです。もちろん身長や体重、筋力や内臓、脳など色々違いはありますが、野球におけるケガをベースに考えるとやはり骨の違いを知っていて欲しいと切に願っています。
野球ボールの違いと決まり
ここで1つみなさんに問題です!硬式野球で使用されているボールは
小学生、中学生、高校生以上は大きさ、重さは異なるのでしょうか?
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答えは“一緒“です。重さは148.8g、ちなみに軟式野球ボールは小学生が使用するJ号球は130.8g、中学生以上が使用するM号球は139.8g。この現実はどう思うでしょうか?軟式ボールは年代によって大きさや重さが違うのに(中学生以上統一にも意見はありますが…)硬式ボールになると小学生からプロ野球選手が統一したボールで野球をしています普通に考えおかしいですよね!?今はプロ野球でも“中6日“が当たり前です。投手は1週間で1試合しか投げません。しかも昔の様に300勝投手がいたり権藤、権藤、雨、権藤!の様に同じ投手が連投するコトももちろんありません。先発投手の完投数が減り200イニング投手も現れない時代です。先発、中継ぎ、抑えと分担制になっています。今でこそ球数制限が騒がれる様になりましたが甲子園でも2週間程の間に500球、700球とプロ野球選手の倍以上の投球数の投手がたくさんいます。
では、小学生や中学生はどうでしょうか?
土日の連戦にダブルヘッダー。背が高くて速いボールを投げれる選手の球数がやはり多くなります。これは指導者への批判でもなんでもなく“仕方ないコト“です。だって、野球はスポーツです!勝負事ですからやるからには勝ちたいに決まってます。だからチームで1番の投手を登板させたいに決まってます!そんな事は分かってます!しかし、この考え方が変わらない限りは投球障害に苦しむ選手は後を立ちません。見た目は大きくて体が丈夫そうに見えるかもしれませんが中身は“子ども“です。大きな選手も小さな選手も同じ年齢です。そんな体の選手が年代で大きさの違う軟式ボールならまだしも、小学生からプロ野球選手が同じ規格のボールで野球をしていたら小学生、中学生の肩や肘はどうなるのでしょうか?結果は見えてますよね?
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確実に壊れます。ケガします。そうですよね?プロ野球選手もケガをしない様に(でもたくさんの選手がケガして手術を受けています)1試合100球で交代して1週間空けている訳ですから。いくら週末だけの試合とはいえ土日で小学生、中学生が100球以上投げればケガをして当然です。
一理学療法士の私の意見でボールの大きさが変わるとは思いませんが、指導者の考え方が変わらないと
野球界に未来は無いと思います。ただでさえ少子化や野球離れが騒がれている世の中ですから…。
球数制限の浸透
しかーし!朗報です!今、日本の野球界では“球数制限“”投球イニング制限“がルール化されています!
全日本軟式野球連盟
👇コチラ
日本リトルリーグ協会
👇コチラ
http://jllba.com/2_4_qanda.html
ポニーリーグ
👇コチラ
http://www.pony-japan.com/2844/
ボーイズリーグ
👇コチラ
甲子園でも“1週間で500球“と決まりました!まだまだ賛否両論ありますが…重い腰が上がっただけでも大きな“一歩“だと思います!
この様に
✔︎球数制限
✔︎イニング制限
✔︎連投制限
様々な取り組みが進んでいます!
国外では数年も前からこの様な考え方が浸透しており明確な“基準“も出されています。
アメリカ🇺🇸が示すガイドライン
“ピッチスマート“
👇コチラ
最後に
野球における投球動作はどんなに良い投げ方をしても必ず肩や肘には負担が加わっています!そのため1番分かりやすい指標である球数を制限して肩や肘にかかる負担を減らすコトは大賛成です!ただし、これだけではまだまだ不十分です。他に障害に関わる因子として
✔︎投球強度
✔︎コンディション
✔︎ケガの経験の有無
✔︎気候 などなど…
考慮しなければいけない点はたくさんあります!一気に全てを変えるコトは困難を極めるでしょう!
まずは“子どもは大人のミニチュアじゃない“をご理解頂き球数制限するところから我が子やチームの選手をケガから守って頂ければ幸いです。
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